「相続」は「争族」という言い方に置き換えて称されるほど、遺産相続に争いはつきものという印象があります。
事実、遺言を残していなかったばかりに、子供同士で争っている例は多く見かけられます。しかし、遺言を残していたから争いは起きないかというと、必ずしもそうではありません。争いが起きる要因がある場合は、いずれにしても争いは起きます。
また核家族化が進んでいることと人々の権利意識の高まりなどによって、争いは増えています。
でもしっかりと公正証書遺言を残しておくことで、亡くなった本人の意思が明確になり、争いを最小限にとどめ、遺産承継もスムーズに進みます。では、遺言はどうのような形で残すのが一番良いのでしょうか?遺言はその方式が法律にかなっていないと効力を持ちません。自分で書く(自筆証書遺言)のも結構ですが、いざ相続手続の際に方式にかなっておらず、使えないということになっては、せっかく遺言を残した意味がありません。まずは公正証書遺言をお奨めします。
当事務所では、お客様のご依頼により、現在の財産や生活環境、事業環境などを調査し今後の生活や、万が一認知症になったとき、遺産承継、事業承継のために誰にどのような遺言を残すべきか、お客様の意思にかなった最適な遺言書作成・遺言執行などをサポートします。
遺言
遺言とは、個人の生前における最終的な意思を、その死後に実現させるための制度。つまり自分の死後、財産のことで身内同士が争わないよう、自分の気持ちをきちんと伝えておく人生の総決算(しごと)です!
遺言の利用を特にお奨めする場合
- 夫婦に子供がいない場合
父母もいなければ、配偶者と兄弟姉妹が法定相続しますが、遺言をすれば兄弟は遺留分がありませんので配偶者に全遺産を与えることができます。 - 入籍していない内縁の妻(夫)、あるいは入籍していない内縁の養子に遺産を残したい場合
内縁者には法定相続権がないので、遺言で資産を遺贈します。 - 息子の嫁や、誰かにお世話になった場合に恩返しがしたい
遺言で遺贈し、恩に報いることができます。 - 法定相続人が全くいない場合
最終的に遺産は国のものになりますが、遺言で慈善団体など社会に寄付することができます。 - 子供が複数いるが、そのうち一人が障害者(児)で、その将来が心配な場合
遺言でその子に有利な財産分配をしておくことができます。 - 一人息子(娘)が障害者で、親が亡くなった後が心配な場合
- 農業あるいは個人経営の事業承継のため、財産の散逸を避けたい場合
- 相続人の中に行方不明者がいる場合
失踪した一人のために相続手続がとれないことがあります。 - 財産を渡したくない相続人がいる場合
- 遺言で子の認知をしておきたい場合
公正証書遺言の作成手順
相続
人が亡くなった場合は相続が発生し、必要に応じてその手続をしなければなりません。しかし、遺言がある場合とない場合とでは、その手続は異なります。当事務所は、相続手続の流れに沿って必要な手続をサポートします。
相続手続の流れ
〈物納・延納〉
相続税の申告及び納税は被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内です。
延納・物納の申し出もこの期間内です。
・相続税の延納
一時に相続税が払えない場合、数年にわけて納税できます。
・相続税の物納
現金ではなく相続した不動産等の物で納税します。
相続手続(その他)
- 相続人が海外居住者の場合の手続
- 相続人の行方不明者手続・負債相続の場合の相続放棄手続
- 相続人の一人が認知症等で、遺産分割協議を可能にするための手続
※ 生命保険
保険の種類と受取人が誰なのかということを確認することが重要です。もし生命保険の受取人が、被保険者本人になっていたり、指定されていなかった場合は、その保険金は相続財産になりますので、相続が決まるまで請求することはできません。
※ 預貯金・郵便貯金の口座解約、名義書換えについて
金融機関が相続の開始を把握した場合、口座が凍結されます。口座が凍結された場合、自動引落などもストップしますので注意が必要です。口座の解約や名義変更には、遺言書または相続人全員の同意が必要になります。
一部の相続人が勝手に引き出す恐れがあるときは、銀行へ口座凍結の手続を取るように依頼してください。